3月 11 2009
GBE 「ゲーデル・エッシャー・バッハ」読了
世間で積読率No.1なのではないかという冗談まで飛び交う「GBE」、すなわち
ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環
を、買ってからおそらく4年目? にしてようやく読了。たぶん、最初から読み直してひと月くらいかかった。:)
「アキレスと亀」の対話からループ、再起、自己言及に話を膨らませ、ゲーデルの不完全定理やそれを進めて AI の限界などの話まで。 基本的な骨格は数学、数理論理学、計算機科学方面の本。
しかし難解な話だけでなく、その話を「アキレスと亀(とその友人たち)」の寓話、 そしてバッハの音楽やエッシャーの絵画にからめて文字通り展開していくのが面白い。対話編だけでもかなり楽しめる。
特に6章「蟹のカノン」の対話などは特に感動。まさにこれは原曲であるバッハの「蟹のカノン」の文字列表現と言えよう。 ちなみに「蟹のカノン」自体も知らなかったので2倍楽しめた。バッハは凄いね。 (興味のある人は 蟹のカノン – KANWA KYUDAI を見てみたり、ぐぐってみるとよい。)
対話も含めて内容はすべて後の章の前提事項—あるいは伏線—になっているので、読み飛ばしは許されない。:)
大学の頃の教科書を読み返してチューリングマシンとか計算可能性とか復習したい気分だ。
難点を挙げるなら、後半に行けば行くほど数学の話の濃度が上がるので、脱落率は上がる。斜め読みが多かった部分もあった。
あと内容はともかく厚くて重すぎる。電子書籍化が望まれる一冊であると言えよう。(某氏に「裁断しようよ」と囁かれたのは印象的。)
もしこれから読むという人で事前情報が欲しい向きは、とりあえずこの本の骨格である「ゲーデルの不完全定理」(WikiPedia)について調べておくとよいのでは。
自分は
不完全性定理―数学的体系のあゆみ (ちくま学芸文庫) を読んでいたことはこの本を読みやすくするのに役に立った。
この本は時間のある大学生の頃か、数学漬けだった高校生の時に読みたかったなあ。 むしろそういうポジションにいて興味がある人は迷わず今のうちに読んでおくべし。
